「だって暁生先輩のお姉さん…菜津さん、本当に美人で2人並んでたら姉弟に見えないんだってば」


「いやー、にしてもそんな勘違いってリアルにあるもんなんだねぇ。まあ、何はともあれ杞羽が幸せならわたしも嬉しいけどね〜?」


にこっと笑って、頭をよしよし撫でてくれた。



「たくさん悩んで苦しんだ分、春瀬先輩にしっかり幸せにしてもらいなさいよー?」


「う、うん…っ」


今でも充分すぎるくらい幸せっていうか。



「もう隣に住むんじゃなくって、いっそのこと春瀬先輩の部屋に転がり込んだらどう?半同棲みたいな感じでさー」


「いや……もうそれが、ほぼ半同棲状態といいますか……」



夏休み中はほぼ毎日暁生先輩の部屋に泊まって。


自分の部屋にいることが少なくなって。
部屋に戻るのは着替えをとりに行ったり、ほかに必要なものをとりに戻るくらいで。