お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。




***



バタンッと扉が閉まる音。

同時に、後ろから大きな暁生先輩の身体に包み込まれた。



あれからカラオケを2人で抜け出して、連れてこられたのは暁生先輩の部屋。



「えっと、暁生先輩……っ?」


名前を呼んだら
もっともっと、強く抱きしめてくる。


な、何これ……なんでこんなふうに抱きしめられちゃってるのか意味わかんない。



「う、うぅ……、そんな強く抱きしめたら潰れちゃいそうです……」



「……杞羽に避けられて死ぬかと思った」


「死ぬなんて大げさ……です。そ、それに先輩は別にわたしじゃなくてもいいじゃないですか……」


さっきまでの勢いはどこへ行ったのか、今は声がとても弱々しい。



「……なんでそう思うの?」


「だ、だって……菜津さんのこと……」


「菜津がどーかしたの」


「どーかしたのって……」


え、いくらなんでも鈍感すぎない…?
フツーに家に泊めたりしてるじゃん…。