その高い綺麗な声を聞いて、反射的に顔が上がってしまった。
そして目の前に飛び込んできた光景。
「やっと出てきた〜。待ってたよ〜」
黒くて艶のあるロングの髪が揺れて。
白くて細い腕が、
暁生先輩の首に回って
抱きついてる……。
胸が嫌なくらいざわついた。
この女の人
……前に暁生先輩と一緒にいた人……だ。
「……なんで菜津がここにいんの」
今たしかに暁生先輩が呼んだ
……なつさんって。
下の名前で呼び合って抱き合うなんて、どう考えても2人の仲は知り合い程度のものじゃないって一瞬でわかる。
「なんででしょうか〜?」
「はぁ……知らないし」
若干、怒ってるような呆れ気味な様子の暁生先輩。
でも、今わたしの目に映る2人はどう見ても美男美女でお似合い。

