手短に困ってると言われても、何に困ってるかわからないし…!
「今日泊めて」
「は、はい??」
えっ、ちょっとこの人いきなり何言ってるの?
「今はいって言ったからオッケーってことね。んじゃ早く鍵開けて」
「イミワカリマセン」
そもそもわたしこの先輩の名前すらも知らないっていうのに。
そんな見ず知らずの人からいきなり泊めてって言われて、はいそーですかなんて了承できるわけない!
「家に入れてくれたらワケ説明するから」
「なんで家に入る前提なんですか……」
とりあえず、先輩は引く気は無さそうだし、ここでわたしが折れないと話が進まなさそう。
「い、家には入れますけど、変なことしたら速攻出て行ってもらいますから」
「変なことって何されるの想像してんの?」
ニッと笑って、指先を顎に添えられてクイッと軽くあげられた。

