しかもなんか嫌な予感がする。

こ、このシルエット見覚えがあるような……。


しゃがみ込む怪しい人の前をそろりと通過しようとした時だった。


いきなり顔がバッと上がって、わたしのほうを見たのでバッチリ目が合った。


「……あれ、迷子の子猫ちゃんだ」

や、やっぱりどこかで見たことあると思ったら。


「な、なんで先輩がここにいるんですか!?」


なんとびっくり。
わたしの目の前にいたのは、今日わたしのピンチをめんどくさそうに救ってくれた先輩だった。


「なんでって、俺の家ここだし」

そう言いながら、202号室の扉を軽くトントンっと叩いた。


ちょ、ちょっと待って。
一旦状況を整理しよう。


わたしの部屋はたしかにこのマンションの201号室。

それで、お隣の202号室の住人さんは??


「えっと、先輩どこに住んでるんですか?」

「……は、ここだけど」