お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。




昔はよく家族や千里と食べに行ったりしていた。


けど、一人暮らしを始めてから一度も実家のほうに帰っていないので、そこのパンケーキも食べられていない。



「せっかくタダで食べられるチャンスなのになー?」


「うぬ……っ」


人間タダって言葉に異常に弱いような……。
頭の中に甘いホイップクリームが山盛りにされた、ふわふわのパンケーキがボンッと浮かぶ。


「まあ、悩んでる時点で行くしかないよな?」


「うぅ……パンケーキ食べたら帰るもん……」


こうして、パンケーキの誘惑に勝てず、学校を出て実家のほうへ帰るため駅へ向かう。


帰りはそんなに遅くならないはずだけど、先輩のごはんの支度はできそうにないからメッセージくらい入れといたほうがいいかな。


【友達とパンケーキ食べてから帰るので今日は晩ごはん作れません、ごめんなさい…!】


あえて千里の名前は出さずに送信。