「へぇ……。木野クンは呼べるのに俺は呼べないの?」

「それは、幼なじみだからで。
慣れもあるから……です」


「んじゃ、俺のこと呼ぶのも慣れて」


甘いねだり方。
きっと、先輩にこんなねだり方をされて、言うことを聞かない子はいないと思う。


「で、でも……っ」


「呼ばないなら杞羽の身体でもっと遊ぶけど」


言葉どおり容赦なく、身体に触れてくるし、また簡単に頬とか首筋にキスしてくるし。



「……なんなら襲っちゃうけど」


「ダ、ダメ……です」


今さらながら、両腕を胸の前でクロスして身体を隠してみる。



「ダメなら何すればいーかわかるよね、杞羽チャン」

「ぅ……」


「早く呼ばないと、その可愛い唇塞いじゃうけど」


先輩のきれいな指先が、唇をそっとなぞってくる。