「よしっ、これで荷物ラストかな」


新しい部屋で1人、すべての荷物を運び終えてようやくひと段落。

今日からわたし、紗倉杞羽(さくらきう)は新しい場所で一人暮らしを始める。


本当は一人暮らしをする予定はなかったんだけれど、高校が家からかなり遠かったので、高校の近くにあるマンションを借りた。



お母さんお父さんも最初はとても心配していたけど、幼い頃から家の手伝いなどたくさんしていたので、1人で暮らしていくには何も問題ないと判断してくれて、許しをくれた。


明日は待ちに待った高校の入学式。


ハンガーにかけられた可愛い制服。
ブレザーは茶色系で、赤の紐リボンに、ブレザーより薄めの茶色のチェックのスカート。


「明日からこの制服着れるのかぁ」

今からとても楽しみでワクワクしてる。

1人で生活するのに少し不安はあるけれど、なんとか乗り越えられるんじゃないかなぁなんて。