『───気まぐれじゃないって言ったら?』




あいつの言葉が、そのときの真っ直ぐな瞳が……、頭を離れない。




今日もやっぱり仕事が手につかなくて早めにベッドに入ったのだけれど、あのときのあいつのことを思い出せば思い出すほど目が冴えて眠れなくなっていく。


あいつとわたしが過ごした時間はまだ数日で、客観的にみても決して多くはない。


むしろ、すごく少ないと思う。


だから、わたしとしてはその言葉を信じられない気持ちでいっぱいだけど、その言葉を否定できる明快な根拠も持ち合わせていないのも事実。




……それに、あの瞳は。




そっくり、だった。




9年前のあの日、わたしにとって衝撃の真実を知らされたとき。