それなのに、外見だけが無駄にいいせいでたまにドキッとしちゃう、さっきみたいに。


これは完全なる不可抗力だ…!


考えれば考えるほどムカついてきて、思わずやつを睨みつけてしまう。




すると、やつはそれに気付いたみたいでお弁当箱の蓋を開けてお弁当を食べようとしていた手を止めて、なにか意味ありげに笑いながらわたしの方を見た。




「…お前って俺を睨むの好きだよな。俺のことが嫌いなくせに、俺のことを考えちゃってそれでムカついて、俺を睨む、みたいな?」


「……っ、」


「俺、お前のそういうところ、嫌いじゃねぇよ?むしろ、お前の頭、俺でいっぱいにしてやりたい」


気付いたら耳元でやつの声が聞こえたと同時に、耳にフーッと息を吹きかけられた。




「…!?ひゃっ…」

「…ふっ。顔真っ赤」


「〜〜〜っ」

「やっぱお前のその顔、超そそられる」