「…………」
「…え、な、なに…?わたし、なにか変なこと言った…?」
わたしの言葉に驚いたような顔もしてるし…、
なにも言わずにじーっと見つめてくるやつの視線もどこか落ち着かない。
「…いや。お前って急に素直になるから心臓に悪いんだよ。いつもツンツンしてるくせに」
「え…な、なにそれっ…。それを言ったらあんたもじゃんか。ありがとう、なんて…。そ、れ、と。わたしはツンツンとかしてないっ」
そう言ってプイッと顔を背ける。
どっちかといえばツンツンしてるのは沙莉でしょ。
わたしはただ負けず嫌いなだけで。
「…そういうところがツンツンしてるっていうんだよ。…マジでお前みたいなのが一番タチ悪ぃ」
「はぁ?意味わかんないんだけどっ」
……ていうか、タチ悪いってそれはあんた方だろーっ!
意地悪でドSでからかい上手で、自己中で俺様でわたしを脅して秘密をバラさない代わりに無理やり付き合わせていているんだからっ…



