「…沙莉?どうかしたの?」
わたしは10cm身長の高い沙莉の顔を下から覗き込む。
「…っ、なんでもないわ。それより里桜。何度も言ってるけど、なにかあったらちゃんと私に頼りなさいよ、いい?うちのママもあんたのこと心配してて、里桜さえよければしばらく里桜の分もお弁当作るって言ってるし」
えっ…
そ、それは嬉しいけど…
沙莉ママのお弁当好きだし……って、あ。
「……沙莉さん。わたし、里桜。今しがた重要なことを思い出しました…」
「…なによ。嫌な予感しかしないから簡潔に言いなさい」
うっ…
さっきまで優しかったのに、この変わり身の早さはなんなのでしょうか…
わたしが敬語を使ったせいだと思うけど、眉間にしわを寄せてちょっぴり不機嫌そう。



