うっ……うぅぅ。

ど、どうしよう…


本当に、作ってしまった……。




───週明けの月曜日の朝。


わたしはいつも自分で自分のために作っているお弁当ではない、もう一つのお弁当の方を前に頭を抱えていた。




「……なにやってんだろ、わたし」


誰もいないリビングで一人ポツリと呟く。


自分でもなんでこんなことをしているのかわからない。




───大嫌いなはずのあいつに、わたし自らお弁当を作ってあげる、なんて。




ただ、『俺は、お前の弁当が食べてぇの』っていうあいつの言葉が思ったよりもわたしの心の中に残っていたんだ。


相手があいつであれ誰であれ、そんなふうに言われたことじたいは嬉しかったんだと思う。




……うう〜、ここでウジウジ悩んでいても仕方ないっ。


もう作っちゃったんだしとりあえず持って行こうっ。