別にモテたいとかそういうわけではないけれど、パパとママの美形の遺伝子、全部お兄ちゃん達に取られたようなものだからなぁ、わたし。


みんないいところどりしてもうこれ以上ないほどの美形なのに、わたしだけ普通?みたいな。




「……里桜はそのままでいい。っていうか、それ以上可愛くなってどうすんの」

「……」




ですよねー…。

言うと思った。


まあ想定内の反応だけど。




「…過保護なのも相変わらずだね。心配しなくてもわたしを好きになる物好きなんていないのに」


そう言いながらチラッとあいつの顔が浮かんだけど、すぐさま頭の隅に追いやる。



…あいつもわたしをからかっているだけで、わたしを好きなわけではないだろうしね…


べ、別にわたしもあいつのことなんて全然好きじゃないからどうでもいいけどっ。