「……ほんと、里桜って無欲だよね。むしろ里桜みたいな子はもっと欲張っていいのに」
そう言いながら眉間にしわを寄せている柊にぃは、先程の女性達のことを思い出しているのだと思う。
うーん……確かにああいう女性達の中には遠慮を知らないような人が多いからなぁ…。
でも……
「柊にぃったらせっかく綺麗な顔してるのに、しわがよっちゃったらもったいないよ?」
わたしはツンツンと柊にぃの眉間を人差し指でつつく。
「別に、俺は望んでこの顔になったんじゃない」
「……」
……いや。
それはまあ、その通りだけど…
さすがに今のは多分、全国のモテたくてもモテない男子を全員敵に回したよね…
それに……
「だったらもうちょっとわたしに美形の遺伝子分けてほしかったなぁ……」
ってちょっぴり思ってしまう。



