「……あのさ、柊にぃ。これはぴったりとか次元じゃないよ」
絶対わたしに合わせて作ったでしょ、という言葉は流石に飲み込んだけれど代わりにじっと目で訴える。
「……さすが、里桜。よくわかったね」
柊にぃは驚いた様子もなくサラッと言葉を返す。
「いや、普通わかるって…」
今まで何度もお店に売り出す商品とは別にわたしの服を作ってきた柊にぃとMOMIJIのことだ。
ただ、わたしのために作った服をお店に置いている、ということに驚いたんだ。
その後もお店の中の女性からの鋭い視線に耐えつつ、柊にぃが見繕ってくれた洋服をいくつか買って素早くお店を後にした。



