「…里桜、着替え終わったか?」
薄いカーテンを一枚挟んで聞こえてくる柊にぃの声にハッとする。
「…あ、うん。ちょっと待って」
今まで来ていた服をそれらしく畳んで、ゆっくりとカーテンを開ける。
すると、さっきまではまばらだった店内はほぼ女性で埋め尽くされていて、そのほとんどの視線が“わたし達”に向けられていた。
……げっ。
うそでしょ…もしかしてこれ、全部柊にぃ目当て…?
久しぶりのこの光景にわたしは若干引いていた。
さすがにわたしは背小さいし、どう見ても未成年だってわかるだろうからカップルだとは思われてないだろうけど…
というか思いたくないだろうけど。
普通にいくつもの鋭い視線を感じてため息をつきたくなる。



