だから、やつがどんな顔をしているかはわからない。
「……ぷっ、くくっ。ほんと、気が強くて素直じゃねーのな。はいはい、わかりましたよ、お姫様」
「…っ、お、お姫様っ……って!?なっ…、なななな、い、今……っ」
手に、ききき、キスした、よねっ……!?
「な、なにすんのよーー!!このドS変態性悪男っ!!」
全言撤回っ!
やっぱりこんなやつに沙莉ママの貴重なお弁当を渡したくないっ……!!
「誰がドS変態性悪男だって?」
やつがその整った顔をずいっと近づけてくる。
……っ、だから、近いっ……!
「…そ、そんなの、あんた以外に誰がいるっていうのよっ…!ってか、お弁当返してっ!キスしないっていう約束破ったでしょ!?」
「…あ?あれはお前が勝手に言い出しただけで、俺は了承した覚えはねぇよ?」
「な、なにそれっ…!ずるい……っ、」
「ずるくねぇ。だいたい、仮にも彼氏の俺に向かってひどい言い草だな、お前」
「うっ……」



