「寝坊は、してない。家のことでちょっと色々とあって……あはは」


本当のことを言うわけにもいかず、言い慣れたようなセリフと一緒に乾いたような笑みでごまかす。




「……里桜って相変わらずの秘密主義だよね。入学してから今まで、里桜のプライベートな話とか、ほとんど聞いたことないし」




うっ…おっしゃる通りです…


実花ちゃん、地味に鋭いからなぁ…


「…あ、別に責めてるわけじゃないからね?ただ、一人で無茶してそうでちょっと心配なだけだから」


無茶って……まあ否定はできないけど。




「…ありがとね、実花ちゃん」


沙莉みたいになんでも話せなくても、実花ちゃんはわたしの大事な友達。


そう言う意味を込めて、にこりと笑って見せた。