次の日の朝。


「おはよう……」


教室に入っていつも通りあいさつしたものの、昨日のことを思い出して憂鬱な気持ちだった。




こんなに学校に来るのが嫌だと思ったことはない。


沙莉には昨日あったことを話したら、顔をしかめて言いなりになる必要はないって言ってくれたんだけど、そうは言ってもね……。




もちろん、沙莉の言いたいことはわかるんだ。


今のわたしには“時間”が差し迫っていて、昼と放課後、あいつに会いに行っている暇もないし、それをあいつに有無を言わせずに回避する方法だってあるにははある。


でもそれは、絶対にしたくない。


パパの力を借りることになるからだ。


しかもまた一つ秘密がバレてしまうし、あいつみたいに自分の持つ力を利用して脅すなんて、わたしのポリシーに反してる。