「は!?なに言ってんの……!?そんなの無理に決まってんでしょ……!?」


弱みを握られていることも忘れてわたしは大声で叫ぶ。


だって、なにが悲しくてこの男の彼女になんなきゃいけないのっ……。




「は?じゃねぇよ。っていうか、お前に拒否権なんてないに決まってんだろ?」


若干眉を潜めて不機嫌そうな顔になる目の前の腹黒男。


「な、なんで!?」


「なんでって……お前の秘密、バラされてもいいのかよ?」


「うっ……」




そ、そうだった…


こいつ、わたしの秘密を知ってるんだったっ…


しかも、最も知られたくなかったうちの一つを。




ここだけの話、“わたしの秘密”はたくさんある。


どれをとっても世間を騒がすような秘密であることに間違いはないと断言できるが、その中でも群を抜いて知られたくない秘密は二つ。