ほんとは違う、ってそう言いたいのに、そんなことを言い返す気力さえなかった。
「……へぇ?てっきり違うって否定するか、シラを切るか、するかと思ったのに、その反応は肯定ってことでいいの?」
意外そうに、でもどこか楽しそうに挑戦的な目でやつはこちらを見つめてくる。
「……そんなことするだけ、無駄でしょ。ほんとはあんたなんかに知られて死ぬほど焦ってるけど、今朝の会話を全部聞いていたとしたら、わからない方がおかしいって…」
───そう。
“あき” “はる” “ツアー”
その単語とわたしがはるくんに“お願いした内容”を踏まえれば、誰だってもしかしてってなる。
『Triplets Fly』
それはこの日本では知らない人はいないと言われている国民的アイドルグループ。



