A棟は各学年の1、2、3、4組の教室があり、B棟は5、6、7、8組の教室がある。
わたしは2組でA棟だから、わたしが今朝あきくんの電話に出るために行った空き教室も当然A棟だ。
距離が少し離れていて、しかも大嫌いなこいつがいるB棟になんて必要以上に近寄るはずがない。
───と、いうことは。
目の前のこいつに知られてしまったであろう秘密に、わたしは正気を失くした幽霊のようにサーッと顔色が真っ青になるのを感じた。
「────………“Triplets Fly”」
…………っっ。
ドクンッ
───ああ、やっぱり。
さっきのやつの言葉で、わかってしまっていたけれど、直接こうやって言われると、時間が止まったかのような衝動に襲われた。



