だけど、やつはわたしの表情からわたしの考えを読み取ったらしく、
「聞き間違いじゃねぇから」
と、意図も簡単にわたしの予想を崩してきた。
「じゃ、じゃあ、ほんとにわたしの秘密を知ってるって言うの……?」
未だに信じられなくて、というかどうしてこいつがわたしの秘密を知りえたのかが全くわからなくて、すぐ目の前にあるやつの顔を茫然と見つめる。
そんなわたしの様子に、やつは面白そうにクスッと笑った。
「ああ。今朝、偶然聞いちゃったんだよね。今日は仕事があったせいで三日ぶりの登校だったから、いつも以上に女子がうるさくてな。それが嫌で俺の教室があるB棟じゃなくてA棟に逃げたわけ。んで、その時に誰もいない空き教室に隠れてたら、お前が来たんだよ」
……ちょ、ちょっと待って。
今朝、A棟、空き教室。
い、嫌な予感しかしないっ……。



