大嫌いなキミと秘密の関係


ーードンッ!




「…それ以上言うと、その口塞ぐぞ?」

「……!?」


いきなり壁ドンされた上に唇を指でなぞられてそんなことを言われ、わたしの頭の中は真っ白。




「…なっ…な、ななななにしてっ……!!」


ワンテンポ遅れてこの状況を理解したわたしは、一気に顔がカーッと赤く染まる。




やつは、そんなわたしを見て意地悪そうに笑った。


「なにって、見ての通りだけど?それよりもこんなんで赤くなるなんて、実は期待してた、とか?」


は、はあーー!?


「い、意味わかんないっ……!誰があんた相手に期待なんか……っ、」




だいたい、こんな整った顔がいきなり至近距離に近づいてきたら赤くもなるに決まってるっ……。


それに、自分で言っていて少し虚しいけれど、わたしは恋愛経験値はほぼゼロに等しい。