「わ、わたしがあんたのこと嫌いって、どうして知ってるの……!?」
ま、まさか…わたしがこいつを見かけるたびに睨んでたこと、気付いてた……?
「…へー。嫌いって本人を前にして認めるんだ?」
はっ…ま、まずい…墓穴掘ったっ…
わたしは慌てて手で口を塞ぐ。
で、でもこの際どうでもいい…わたしがこいつを嫌いなことには変わりないんだから…!
「み、認めるも何も、わたし、あんたのこと大嫌いだし……!」
わたしはそう言ってふん、とそっぽを向く。
───だから、やつの瞳が“大嫌い”という言葉に反応して一瞬揺れたことには気づかなかった。
「…大嫌い、ね…。お前、俺にそんな口聞いていいの?1年2組、朝日奈 里桜」
「な……っ、」
ど、どうしてっ…!
こいつ、わたしのクラスと名前まで知ってるの……!?



