……相変わらず我が担任ながら、喋り方やらなんやらが緩い。
でもそこがいいとか言う生徒も多いから、親しみを込めて“原ちゃん”なんて呼ばれてるんだよね。
年齢もまだ30前後らしいし。
まあわたしは嫌いではないけど、どこか胡散臭いとも思っている。
「…遅れてすみません。それで、雑用ってわたしは何をやればいいんですか?」
「ああ、それはだな……その、資料室の整理だ」
気まずそうにそう言いながら頬をポリポリとかく原ちゃんに、わたしの思考は一瞬停止した。
「……はあ?え、ちょ、ちょっと待ってくださいっ…!あそこって汚すぎて滅多なことがない限り誰も足を踏み入れないっていう未知の空間、ですよね……?」



