「…やっぱ分かっちゃうんだね。ありがとう、沙莉。今日は沙莉の言う通り、沙莉の家に泊まる」
「ん。最初からそう言えばいいの」
そう言って微かに微笑んだ沙莉は、スマホを取り出してどこかにメールを打ち始める。
相手は沙莉ママだな、おそらく…
わたしがそんなことを思っていると、じーっとこちらを見つめる二人の視線に気がついた。
「…えっと…二人ともどうかしたの…?」
そ、そういえば、さっきから沙莉と二人の世界に飛んでいたけど、実花ちゃんと葵ちゃんもいるんだった…
「どうしたのって…里桜と沙莉が二人にしか分からない会話始めるからでしょうが」
「うんうん。ってそれも気になるけど、わたしは時間のことを気にした方がいいんじゃないかなって…。里桜ちゃん、原ちゃんに呼ばれてるでしょ?」



