「だったら、今日は家に泊まりなさい。ママにも言っといてあげるから」
「…え!いいの…?」
沙莉の家には昔から何度も泊まっているから、違和感は全くないけど、今日はなんだか沙莉に頼りっぱなしで、申し訳ないというか…
一方の沙莉はそんなわたしに対してため息を一つ。
「何言ってんの、いいに決まってんじゃない。だいたい、あんたのことなら大抵のことは私にはお見通しなの。それに、こういう時くらい頼りなさい。今、ピンチなんでしょ?」
うっ……さすがわたしの親友。
多分、わたしが授業をほとんど丸々一時間分爆睡したって時点で分かったんだろうな…
だって、沙莉には今“あれ”が煮詰まっていることは一言も言っていない。
ただ、わたしはいつもどんなに疲れていても、授業中にそこまで寝ることはないから。



