『里桜から頼みなんて珍しいね。いいよ、どうしたの?』
「あのね、実は……」
……………………
『何だ、そんなことか。お安い御用だよ、任せて』
「本当?ありがとう、はるくんっ」
これで一つ心の重荷が減った…
「あ、それじゃあ、わたしほんとにそろそろ時間ヤバイからまたね、はるくん。なっくんにもよろしく言っておいて!」
心の中ではるくんに謝りながら、急いで電話を切る。
やっば…後一分あるかないかなんだけどっ…!
……慌てて空き教室を飛び出したわたしは気づかなかった。
「…ふーん。面白いこと聞いちゃった」
遠ざかっていくわたしの背中を見ながらそう呟いて、ニヤリと口元に笑みを浮かべた人物に………───