葵ちゃんは思いの外あっさり騙されてくれた。
……だけど、実花ちゃんはわたしの方を見ながらニヤニヤしていて。
嫌な予感が、する。
「───里桜、あんたやっぱり彼氏がいるんでしょ?」
「っ、げほげほっ…」
や、やっぱりー…
見事に嫌な予感は的中した。
「その反応はやっぱいるってことでいい!?」
実花ちゃんは席から立ち上がって斜め前に座るわたしの方へグイッと身を乗り出してきた。
どうやら先ほどのイケメンさんを見たときよりも興奮しているみたい。
「…実花、うるさい。ここお店の中だから」
「あ、ご、ごめん…。あの里桜に彼氏がいると思ったらつい…」
沙莉に冷静に突っ込まれてぺろっと舌を出しながら実花ちゃんは席についた。



