一昨日はかみなりの怖さで心を削られていたのでご飯を食べてお風呂に入ってそのまま寝ちゃったけど。
昨日はもう締め切りまで二週間を切っているし、さすがに少しでも進めようと手はつけた。
……でも、やっぱり無理で。
自分の部屋で一人、静かな空間にいれば自然とあいつの声からなにから頭の中に蘇ってきてしまうんだ。
「……まあ里桜がそう言うなら私はなにも言わないわ。でも、やっぱあんたって呆れるほどの鈍感ね……」
えっ…わたしが鈍感って…
「…なに言ってるの、沙莉。わたし、どちらかと言えば敏感な方だよ?それに、あいつの作った顔に気付いてるのって男子は別にして、女子ではわたしと沙莉くらいなんだから、少なくとも鈍感ではないでしょ」
そりゃ沙莉に比べれば鈍感だとは思うけどさ…



