「あんた……マジで大丈夫なの?」
あのかみなりのあった日から二日後の放課後。
わたしは学校から出ていつもと違う道を歩いている。
そのわたしのとなりを歩く沙莉が眉にしわを寄せながらじっとわたしの目を見つめてきた。
うっ…沙莉のその目に見つめられると、なんかなにもかも見透かされてるような気がしてくるんだよね…
なんと言えば正解なのかわからないけど、歩幅を少し狭めながら思ったままを口にした。
「……わかんない。でも、いいの。どうせ今やったって集中できないと思うから」
……そう、できない。
ううん、正しく言えばできなかった、かな。
相変わらず意識しなくたって思考のど真ん中をあいつは独占している。
そのおかげであいつの彼女になる前までは常に頭の中の三分の一は占めていた“あれ”改め仕事が頭の片隅に追いやられていた。