[2015年10月5日(月)午前1時25分]

スマホ依存症に間違いなく該当する瀬戸知佳子(せとちかこ)は日付が変わってでもスマホを弄っていた。何時間も体勢を変えずにベッドに寝転がっているせいか、身体中が少しだけ痛くなり始めた。仕方なく知佳子は、体勢を変えてから再びスマホを弄り始める。バンスタグラムにチェイッターにバイン....。一つ一つのことに時間はかけなくても、したいことが多すぎるのだ。バンスタグラムで隣のクラスの湯本怜(ゆもとれい)の投稿していた写真を見ていた時、バインのメッセージが来た。通知の名前を見ると、親友である奥山岬(おくやまみさき)からだった。すぐにチェックをして変身する。岬が送ったメッセージは重要ではないが、メッセージを返さないとあとがうるさいからだ。この意味もないバインを続けているうちにスマホの時間表示が2時半になってしまった。そろそろ寝ようかと思い、「また明日」というメッセージを送ろうとしたが、スマホを長く使っていたせいかバッテリーが切れてしまった。しょうがないと思った知佳子は、充電しようとするが、動くのがめんどくさかったため、諦めてスマホをベッドの端の方に置く。明日、岬になんで言おうか。真っ暗な部屋の天井を見つめながら知佳子は思う。しかしらそう考えているうちに眠ってしまった。その後、知佳子のカバンの中にある、あるものが光っていたが、もちろん知佳子は知るはずもなかった。