だけど、私が質問すると歩斗は、曖昧に微笑んで話を逸らしてしまう。 別に、言いたくないことは言わなくてもいいけど……。 (でも、もっと知りたいじゃんか) 歩斗の困ったような顔を思い浮かべながら 唇をムッと尖らす。 なんだかいたたまれなくなって、勢いよく体を起き上がらせた。 心に広がったモヤを払うように洗面所で顔を洗う。 洗面所には、縦に長い大きな鏡がある。 その鏡の前に立って、ため息をついた。