(どうしよう……。 また、あそこに置いてかれちゃうのかな……) ふと、昔の記憶が頭を過る。 再びこぼれ落ちそうになった涙を必死に飲み込み、それをかき消す。 (もうひとりぼっちは嫌だよ……) 歩都が次に言う言葉を聞きたくないと、目をギュッと瞑り、耳を塞ごうとした。 「ここで一緒に住まないか?」 有り得もしない、私を否定しない言葉が聞こえ、耳を塞ごうとした手が止まる。 「今…なんて言った?」