男は顎に手を当てて何かを考えている。 (あんまり、名前については触れられたくなかったのに) 自称気味に笑って、私は俯いた。 「真夜(マヤ)」 「……え?」 「お前の名前は、真夜だ」 今度は、私が目を見開く。 「まや…?」