「…ばいばい。」

最期に君は見たことも無いような優しい笑顔で、笑っていた。


あぁ、あの頃願ったのを思い出すよ。

「君を、君と創った思い出を、忘れませんように。」

必死に。必死に。願ってた。

人間の記憶なんて、ちっぽけなのに。

徐々に忘れて、思い出せなくなるのに。


でも、でも。

僕は、君の生を覚えておかなくちゃ。

君の生を知っているのは、

君の死を読む人でもなくて、君の死を書く人でもなくて、

きっと、僕だけなんだから。