放課後。



「悪い、待たせたか?」




「別に。愛斗が時間守って来たことなんてほとんどないしね」




「ま、まあそうだけど……」




慌てている愛斗にクスリと笑いながら、2人で昇降口を出て、歩き出した。




「…………なあ。」





遠慮がちに愛斗が口を開いたのは、歩き出して10分が経った頃。





「どうしたの?」





「お前さ、龍樹のこと、好きだろ」





単刀直入に聞かれて、一瞬何を言われたのか分からなくなった。






「…………なん、で…………?」





「お前が龍樹のこと見る目に熱がこもってたから。」





さらりと言われて、そんなにバレバレの視線を送っていたのかと恥ずかしくなった。