「ねえねえ、美里!!」




朝、教室に着いてすぐ、親友の瀬戸菜乃花に呼ばれた。




高めの位置で1本に結ばれているポニーテールを揺らしながらやって来た菜乃花。




隣には、いつも一緒の男友達の、相澤龍樹がいて、2人ともニコニコ微笑んでいた。




学年の中でも有名な美男美女は、認めたくはないけれど、すごくお似合いだ。




「どうしたの?2人とも」




私が聞くと、2人はさらに笑みを深くし、とても幸せそうに笑いながら、





「私たちね、付き合うことになったの!!」





菜乃花が言った。






「………………え?」







「昨日ね、2人で帰ったんだけど、その時に龍樹に告白したの!!そしたらOKしてもらえたんだ!」






菜乃花の声が、遠くから聞こえる。






私は、できるだけ不自然じゃないような笑顔を顔に張りつけて、





「おめでとう!!」