片恋の魔女は死ねない

「あ、亜里沙に先輩、おはよう」
「おはよう」
「お、おはよ」

 そんなところに英梨が登場する。

「珍しい組み合わせだね」
「たまたま会ったから」

 幸せそうな表情を浮かべて、英梨も彼も話をする。その様子を見て、私は少しずついらいらを募らせた。

「朝から先輩に会えるって嬉しい」
「俺もだよ」
「何気に初めてじゃない?」
「そうだな。朝は俺、朝練あるし」
「今朝はもう終わったの?」
「うん。大会近いから軽めにって」

 私がいることを忘れているかのように会話をする。
 邪魔者が誰なのか、はっきりしている。