片恋の魔女は死ねない

「ばっかじゃないの」

 どうしてこう、都合の悪い条件を沢山つけるのか。
 永遠の命も、恋に生きることも私は望んでいない。

 はあ、と静かな部屋に溜息だけが響く。

「しかも、友達の彼氏を好きになるなんてなぁ」

 しかも、一目惚れで。
 最低というか、尻軽にもほどがある。

 でも、気づいたら目を奪われてて。
 好きだなぁ、と感じてしまって。
 何から何まで独占したいなぁ、なんて。

 恋が私を狂わせる。
 私が私じゃないみたいだ。

「奪ってやりたいなんて、思っちゃってるよ……!」

 ぼふっ、と枕に顔を沈める。