「あはは、真っ赤だ…可愛いね麻奈」
「も、もぉれー君ってば!」
「本当の事を言ったまでです」
「う…、うーー!」

恥ずかしさからポカポカとれー君の体を叩く。

何でこう、私がドキドキするような事をスラスラと言えちゃうのかなぁ、れー君は……!

私はれー君を叩くのを中断して、グミの袋を手にした。

「麻奈?」

れー君が私の顔を覗き込む。

「えいっ」
「!」

その隙を狙って、私は袋から取り出していたグミをれー君の唇に押し当てた。

「えへへ、れー君の唇 奪っちゃった」
「………」
「れー君…?」

れー君の目がスッと細くなる。

あ、どうしよう…。
もしかして怒っちゃったのかな…?

次の瞬間。

れー君は私の手を掴み、口を開いて、押し当てられていたグミを食べた。

もぐもぐとれー君の口が動く。

「んー……」
「れ、れー君…?」

れー君はペロリと自分の唇を舐めた。


「麻奈の唇のが、柔らかくて美味しい」


そんな言葉をはきながら。

「―――っ!!!」

再び真っ赤になる私……。

れー君には敵わないなぁ…と思い知らされた、ある日のお昼休みでした。