「…え?」

れー君が頑張ってる理由?

「それは…学校の皆のために…でしょ?」
「それは…ついでかな」
「ついで…?」

れー君は人差し指を私の唇にあてた。
そして笑顔で私にほほ笑みかける。

「俺が頑張る、最大の理由は…麻奈だよ」


―――え…私?


首をかしげる私に、れー君は優しい瞳で笑う。

「麻奈に、楽しい学園生活を送ってもらいたいんだ。だから今、生徒会で新しいイベントを考えてる」

―――麻奈に笑っててもらいたいから。

―――だから眠くても、疲れてても、頑張れるんだよ。

そう言うとれー君が体を起こした。
私へと向き直る。

「だから、もう少しだけ頑張らせて?」
「っ……!」
「麻奈…?」

私はれー君にギュウと抱きついた。
れー君も私の背中へと腕をまわしてくれる。
子供をあやすように、ポンポンと背中を優しく叩かれた。


私のためなんて…れー君、私情はさみすぎ…。
だけど…嬉しい。



「れー君、大好き…!」
「俺も麻奈が大好きだよ」



それから中休み終了のチャイムが鳴り響くまでの5分間…私達はお互いを抱き締めあっていた。