最近のれー君は、寝不足らしい。
「…ふぁ…」
その証拠に今だって、ほら…小さくあくびをしている。
今は中休みの最中で、私は恋人のれー君と屋上で話をしていた。
幸運にも、今日は周りに他の生徒はいない。
れー君と二人きりだ。
「生徒会のお仕事…やっぱり、忙しい?」
思いきって聞いてみた。
だけどきっと、れー君は「ううん」って答える。
「ううん、今はそこまで忙しくないよ」
―――ほらね。
私のことを心配させないための、れー君の優しさ…。
だけどね、れー君。
その優しさが、時々スゴく私を寂しくさせるんだよ。
彼氏に本音を言ってもらえないの、彼女としては不安だもん。
いつもは「そっか、それならいいの」って笑って会話を続けるけど、今日は一歩踏み出してみる。
「あのね、れー君!」
「ん?どうしたの麻奈」
「私に何か…れー君を癒すお手伝いをさせて下さい…!」
私の言葉に、れー君がキョトンとする。
…私、なにか変な事…言ったかな?
「…無防備すぎ…」
れー君がボソッと何かを呟いた。
聞こえなくて「え?」と聞き返そうとした…その時。
「っ…ひゃ…!?」
れー君の顔が至近距離まで近づいてきた。
「れー君、ち、近っ…近いよぉ…!」
「俺の事…癒してくれるんでしょ?」
「え…あ……」
れー君の指が私の頬に触れる。
耳元に、れー君の息を感じた。
「れ、れー君……?」
「お願い、してもいい?」
「な、にを……?」
ドキドキしながらキュッと目を瞑る。
れー君は、私の耳元で囁いた。
「ひざまくら、して?」
……はい?