「よーし…じゃ、次は特別バトルな!」
「特別バトル?」
「次のバトルで勝った方は…相手の命令を何でも一つ聞く事!」

アタシは光をビシッと指差した。

「ほう…何でも…」
「どーだ光」
「いいだろう。付き合ってやる」
「おっしゃ!」

アタシはガッツポーズをする。

このバトルにもサクッと勝って、光に何か命令してやるんだ。

例えば…明日一日パシりとか…あ、お馬さんごっこしてもらうとかどうだろう。

光が普段なら絶対しなさそうな事…。

「おい、陽菜子…やらないのか?」
「あ…やるやる。アタシは今回もこのキャラだな!」

アタシは四連勝のパートナーを選んだ。
比較的このゲーム内では使いやすいキャラだ。

光が選んだのは…クセがあって使いにくいキャラ…どうやら今回もアタシの勝ちで決まりらしい。

バトルが始まる。

「おりゃーっ!先手必勝!」

アタシは慣れた手つきでコマンドを入力。
序盤から必殺技を出して―――。



「そう来ると思った」



…あれ、かわされた…?

呆然とするアタシの横で、光がニヤ…と笑った。