夏休み。
わたしと祐二君の姿は、隣町の映画館にありました。
祐二君がバイト先の方からチケットを貰ったらしく、それで映画館に行く事に…つまりはデートです。
「ねー、先輩…本当に見るの?」
苦笑いの祐二君が指で示したのはホラーのポスター。
「はい!楽しみです…!」
「先輩ホラー系 好きだもんね…」
「ほら、早く行きましょう!」
グイグイと祐二君の服を掴んで映画館へと入ります。
「あ、先輩…ポップコーンとか飲み物とかいらないの?」
「ふぇ?映画館とは、飲食をしても良いのですか?」
わたしの言葉に祐二君が頭を押さえました。
「もしかして先輩…映画館とか」
「はい!初めてです!」
「胸はって答えたね…はぁ…」
祐二君はちょっと待っててと、どこかに消えていってしまいました。