「えっと…一弘…?」
「時間は…ギリか?ほら、行くぞ」
「え、あ、ちょ―――」

ぐいっと手を引っ張られる。

何がなんだか分からないまま、遊園地へと入った私達。

一弘は一直線にどこかへと向かう。

私は困惑しながらもそれについていった。

一弘が足を止める。

そこには、ライトアップされた園内を練り歩く着ぐるみ達…。

「これ…」
「ナイトパレード…この時間限定でやってんだよ」
「そのためにわざわざ…連れてきてくれたの?」
「お前、こういうの好きだろ」
「私のため…に…?」

一弘を見つめる。

彼は目を細めた。

「まぁ、お前はなんか勘違いしてたみたいだけどな?」
「っ!…する、に決まってるじゃん…私達は付き合ってる…んだから」

たどたどしく言うと、一弘が私のおでこをツンッとつついた。

「んな事言ってっと…本当に今日、返せなくなるぞ」

トクンと心臓が高鳴った。