恋王学園の恋愛記録

それからちょっかいをかけてくる一弘を無視して勉強を始めた。

ノートを開き、現国の教科書とにらめっこして数十分後…。

「ふぅ…」

少し休憩しようとイスに座ったまま背伸びをしていると、隣に一弘がいない事に気づいた。

…見張ってるとか言ってたクセに、帰ったのかな。

寂しいなんて思ってはいない。
…うん、思ってはいない。

私はチラリと一弘のいない席を見た。

別に、どうでもいい。
そう自分に言い聞かせながら首を振る。

「…そうだ…辞書でも持ってこよう」

席を立って、辞書のある場所へと向かう途中、一弘の後ろ姿が見えた。

なんだ、本を読んでたんだ…。

一弘の姿が見えただけで、少しホッとしてしまった自分がいて、なんだか悔しい。

ついでだから声をかけて驚かせてやろうと、気配を消して近づく。

「…わっ…!」

さっきのお返しとばかりに小さく一弘の耳元で叫んでやった。

ピクンと肩を揺らす一弘。

残念ながら声は出さなかった。

ゆっくりと後ろを振り向く一弘。

すると…。

振り返った一弘に私は目を奪われた。