「あれは百パーセントほっしーが悪いと思う」

「そうそう!俺ら、受験生だぜ。冬には高校入試があるし、夏が勝負だって先生がみんな言ってるじゃんか」

落ち込む星彦に、透と空音が言う。星彦は夜中中ゲームをするため、授業中に居眠りをしてしまい怒られることが多い。

「ゲームをしないで早く寝たらこんなことにはならないのよ」

空音は毎回そう言うが、星彦にとってゲームは生きがいだ。簡単にやめられるものではない。

「俺、別に高校なんてどこでもいいんだけどな〜」

「お前がよくても俺らはよくないの!」

ため息をつく星彦の頭に、透がチョップをくらわせる。

「じゃあまたな!」

「またね!」

「おう!また明日!」

三人は家に帰る道が途中まで同じなため、一緒に帰ることが多い。手を振り、星彦は家へと急ぐ。宿題をすればゲームが待っているからだ。

「何のゲームをしようかな……。そろそろ新しいゲームソフトを買おうかな……」

そんなことを考えていると、星彦の足が止まった。今まで何もなかった空き地に、見知らぬ建物が建っている。